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  • 19号 「虚実」とは?「新嘗祭」とは?

能開通信19「惹きつける話し方!(映画『セブンガールズ』監督による)他」

 

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◇【本日の豆知識】◇

 

 ・「虚実」とは?

 ・「新嘗祭」とは?

                   ◇◇解説は末項をご覧ください◇◇

 

 

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◇◇【本日の豆知識(解説)】◇◇

 

 孫子第6編「虚実編」では、主導権を確保して、相手の弱い部分に我が力を

集中することを説いています。

 そのための弱い部分が「虚」であり、強い部分が「実」です。

 戦いでは、要点を先に確保して待ち受けるものが有利であり、相手の間合い

にのこのこと遅れて行くのが不利となるのは自明のことです。また、守ろうと

して広く薄く配置したのでは、相手に直ぐに突破されてしまいます。

 

(虚実編2)善く戦う者は、人を致して人に致されず。

「戦いの機微を知る者は、自ら選定した戦場に有利な敵を来らせはするが、敵

に誘いこまれることはない。」

(虚実編16)寡(すくな)き者は、人に備うる者なり。衆(おお)き者は、

人をして己に備(そな)え使(し)むる者なり。

「戦力を多方面に分散して過少にしてしまった者は、敵に対して守勢に立たざ

るを得なくなる。一方、優勢となった戦力を要点に自由に集中し得る者は、敵

を否応(いやおう)なく守勢の立場に追い込むこととなる。」

(虚実編17)戦いの地を知り戦いの日を知らば、則ち、千里にして会戦す可

し。戦いの地を知らず戦いの日を知らざれば、則ち、左は右を救う能(あた)

わず、右は左を救う能わず、前は後を救う能わず、後は前を救う能わず、而

(しか)るを況(いわ)んや、遠き者は数十里、近き者も数里なるをや。

「戦いの起る所と戦いの時期を判断できる者は、千里先の戦場に軍隊を集中さ

せることも可能である。しかし、戦いの時と所とを判断できず、漠然とした用

兵を行う者は、敵に主動権をとられて、左翼は右翼を、右翼は左翼を支援でき

ず、第一線は後方を、後方は第一線を支(ささ)えることが不可能となろう。

このような為体(ていたらく)であれば、各部隊が、千里といわず、たとえそ

れが数里四方であっても支離滅裂となるのは当然である。」

 

 他方で、用兵は水の流れのように、無理なく、環境に適応しながら大きなエ

ネルギーを相手の弱点に集中することが重要であると指摘するとともに、定ま

った形が無いのが逆に強みであると説いています。

 

(虚実編27)兵形は水に象(かたど)る。水の形は、高きを避(さ)けて下

(ひく)きに趨(おもむ)く。兵の形は、実を避けて虚を撃つ。

「軍隊の行動は水にたとえられる。水の流れが高い所を避けて低い所を突き進

んでいくように、軍隊も抵抗の多い強い正面を避けて弱い方面を攻撃する。」

(虚実編28)水は地に因(よ)って流れを制し、兵は敵に因って勝を制す。

「水が地形の変化に応じてその流れの形を変えて行くように、軍隊も、敵状に

応じた行動を取ることにより勝利を達成して行くのである。」

(虚実編29)故に、兵には常勢無く、水には常形無し。

「水の流れに一定の型というものがないように、戦争のやり方にも、不変の型

というものはない。」

 

 最後にまとめです。

 相手に悟られず、臨機応変に用兵すること、相手の虚実(弱い所と強いとこ

ろ)に即座に対応できる柔軟な態勢をとることが求められます。

 

(虚実編9)微(び)なるかな微なるかな、無形に至る。神(しん)なるかな、

神なるかな、無声に至る。故に能く敵の司命(しめい)を為す。

「名将という者は、常に状勢を洞察し、その動きをいまだ常人の捉えることの

ない機微において捉え、用兵は、時と場合に応じて奇正・虚実と常に変化し、

同じ形式をとることがない。また、その軍を行動せしむるや、常に情況に即応

したものであるため、外部からその意図を察知せられることがなく、従って、

敵につけ入られることもなく、対応策を講ぜられてしまうこともない。それ故、

彼は戦場を支配し、敵の命運を自在に操ることができるのである。」

 

 次回は軍争編です。人間が行うことには心理的な要因が大きく左右しますが

戦場における人心掌握術が書かれています。お楽しみに!

 

      杉之尾宜生編著『戦略論体系 孫子』芙蓉書房出版(2001)引用

 

 

 新米の季節です。

 昔は、お釜で炊いたときにできる「ごはんのお焦げ」をおやつ代わりに食べ

たり、給食の硬い食パンを炊き上がり前のお釜にこっそり入れて、ふかふかの

パンにして食べたりしたものですが、今では、「ごはんのお焦げ」はフライパ

ンで作るものだそうです。

 世の中においしいものは数多くありますが、新米のご飯とみそ汁、アジの開

き、更なる贅沢を楽しむ時は納豆と卵も添えての朝食は、何とも言えないおい

しさです。楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。

 既に、「我が家は新米をいただいています。」との声も聞こえてくるようで

すが、すこし思い起こしていただきたいことがあります。

 今年も新嘗祭(にいなめさい)が11月23日に執り行われます。

 宮内庁の解説では、「天皇陛下が,神嘉殿において新穀を皇祖はじめ神々に

お供えになって、神恩を感謝された後、陛下自らもお召し上がりになる祭典で

宮中恒例祭典の中の最も重要なもの。天皇陛下自らご栽培になった新穀もお供

えになる。」とのことです。

 新米は世の中に出回っていますが、今しばらく我慢なさって、八百万の神々

へ敬意を払い11月24日に召し上がるのはいかがでしょうか。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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